耳で聴く本屋さん

河沙魚

内容紹介

夫の隆吉が兵隊に行って四年。あとに残った千穂子は、息子二人と共に義父の与平の家に引き取られて暮らす。義母のまつは中風症のため寝たきりで、千穂子は百姓仕事を手伝っていた。肉体の誘惑に負けた千穂子は与平と醜いちぎりを結んでしまい、女の子を産んでしまう。すでに終戦となり復員が始まっている。赤ん坊の貰い手はなかなか決まらない。千穂子は夫が一日も遅く帰ってくることを祈っていた。