耳で聴く本屋さん

内容紹介

手術の麻酔から醒めた親友は、手首を切断されていることをまだ知らない。彼は名のあるピアニストだ。闇夜の道路で行きずりの人に鋭い刃物で右手首関節の上部から切り落とされ気を失ったのだ。犯人は彼の名声をねたむ同業者かもしれない。私は親友を落胆させるには忍びなく、ピアニストとしての生涯が終わったことを伏せておくことにした。ところが彼は、新しい作曲をしたから右手の指を動かしたいと言う。