耳で聴く本屋さん

ぼろぼろな駝鳥

内容紹介

詩集『道程』『智恵子抄』などの代表作で知られ、明治期から昭和期にかけて詩人・家人・彫刻家・画家として活躍した高村光太郎の詩。本作は「猛獣篇」と呼ばれる連作詩の一つ。人間は何が面白くてダチョウを飼うのだろうか。動物園のわずか四坪半のぬかるみの中では、脚が大股すぎるし、頚(くび)だって長すぎる。雪の降る国なのに、羽がぼろぼろ過ぎる。ダチョウの眼は遠くばかり見ているじゃないか。