耳で聴く本屋さん

空想としての新婚旅行

内容紹介

代表作『何処へ』などで知られる明治期から昭和期に作家・文芸評論家として活動した正宗白鳥の随筆。僕が女房を娶ったら、ハネムーンを企てたくなるかも知れない。我々貧者の妻君になりたい奴はろくな容貌を備えてないだろう。で、旅行となれば、原稿料の前借りをし、五十円ばかりを懐に入れて、妻君の赤い顔に白粉をぬらせる。そして生まれて初めての中等列車で新婚旅行の本場たる箱根に向かうのだ。