耳で聴く本屋さん

幽霊と文学

内容紹介

昭和期に活動した近現代文学を代表する作家の随筆。私は幽霊がきらいだ。憎んでもいる。私の理知は幽霊の存在を省察し否定することを知るが、素朴な本能は素朴な凄味に負ける。日本の怪談もきらいだ。本能的な素朴な恐怖を刺戟する原始的な文学興味はあまりに思想の低いもので、高い文学になり得るはずはない。怪談の凄味は自慢の種というより、その国の文化生活の低さを物語る恥の一つなのである。