恥

小説家の戸田に大恥をかかされた顛末を、私（和子）が友人に手紙で報告。戸田に無数の欠点を認めながら、小説の底にある哀愁感を尊いと信じるという手紙を送った私は、後日、『文学世界』に掲載された彼の短編小説を読んで驚く。主人公の名前は和子で年齢も同じ二十三歳、父親が大学教授であるのも同じ。手紙には自分の住所や名前を書いてないのに。再び手紙を書いて、彼に会いに行くのだが･･･。