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卒業を前にした少女・かよ子が、東京へ旅立つまでを描いた短編小説。裁縫室の窓からは、運動場の大きな桜の木が見える。入学の日も運動会の日も、母はその木の下に立ってかよ子を見ていた。この教室で母も習ったのだと先生に言われ、かよ子はもうどこへも行きたくなくなる。それでも四、五日の後、彼女は南へ走る汽車に乗っていた。入隊する兵士の見送りでにぎわう駅で、たすきをかけた婦人たちのいちばんうしろに、母そっくりの人が立っていた。