耳で聴く本屋さん

遠方の母

内容紹介

どうして自分にはお母さんがいないのだろう。女中の背中におぶわれながら、正ちゃんは母親を呼び続けていた。女中は母親が死んでしまったことを言えず、遠いところへ行ったと話す。ある日、出入りの商人からうちわをもらった女中は、そこに描いてある若い女の人が母親だと告げる。それ以来、正ちゃんはこのうちわが大好きになり、絵を見ると泣きやむのが常だった。ところが、女中はうちわの上に煮物の鍋を下ろし、絵を赤黒く焦がしてしまう。