耳で聴く本屋さん

開運の鼓

内容紹介

天保初年の大飢饉のさなか、小禄の旗本の子・麟太郎も飢餓に苦しむ貧しい暮らしを送っていた。ある朝、往来から小鼓の音が聞こえてくる。白髪の上品な老女が奏でる穏やかな音色に、荒んでいた麟太郎の心にも平和が立ち帰った。施しを乞う老女に、一文もない麟太郎が自分の分の米飯を差し出すと、老女はそれを往来に倒れている飢えた女に与えるよう告げ、いつしか姿を消していた。麟太郎はその後も、この鼓の音と巡り会うことになる。