作品名、作者名、ナレーター名を検索する
湖と島と桃花村のほかに何もない土地で、眠元朗と妻、娘の三人が暮らしている。ほかに人間は誰一人おらず、両親は居眠りと退屈の入り混じる単調な日々を送るばかり。娘はやがて、湖の向こうに日ごとに紅く染まる桃花村へ憧れを募らせていく。母は村へ行きたいと願う娘を厳しく戒め、父も遠い世の話を避けて娘を手放すまいとしてきた。ある日渚で、娘は父に告げる。村へ行ったら、お父さまが諦めるまできっと隠れてしまう、と──。