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思想の発展という体裁を退ける形で、自身の思想の歴史を断片的に書いた随筆文。明治天皇崩御の幼時の記憶や、大正期に北端の寒村にまで浸透していたデモクラシイ思想に触れ、それが昭和二十一年の「新思想」とさほど変わらぬことへの感慨から筆を起こす。太宰は「思想家」の回想録にあるドラマチックな転機を嘘くさいと退け、自分には思想などなく好き嫌いだけだと言い切る──。