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古いお寺の境内に立つ桜の木が、つぼみをふくらませて咲こうとしていた。花は、かたわらの鐘つき堂に下がっているはずの古い鐘の姿が見えないことに気づき、屋根の瓦にたずねる。瓦が語るには、鐘は去年の秋にお召しをいただいて戦地へ行ったのだという。出征の日、在郷軍人や婦人会、国民学校の生徒たちが集まり、武運長久のたすきをかけて見送った。やがて子どもたちが現れ、桜を写生したり、鐘の行方や工場へ働きに出ることを語り合っていく。