耳で聴く本屋さん

忘れえぬ人々

内容紹介

三月初めの寒い夕暮れ、旅人・大津弁二郎が武蔵野の溝口にある亀屋という旅人宿を訪れる。宿で隣室であった客・画家の秋山松之助と襖越しに言葉を交わしたのがきっかけで、二人は酒を酌み交わしながら夜更けまで語り合うことになる。大津は「忘れ得ぬ人々」と題した原稿を持っていた。忘れ得ぬ人とは親や友のように忘れてはならない人ではなく、恩も義理もない赤の他人でありながら、どうしても忘れることのできない人のことだという。