耳で聴く本屋さん

仲々死なぬ彼奴

内容紹介

八十二歳の大熊老人は五億とも一億とも噂される財産を持ち、政界にも隠然たる影響力を及ぼす大富豪である。遺産目当ての親戚が絶えず群がる中、老人がただ一人心を許していたのが、二十二歳の青年・喜助だった。老人は喜助を薬学校に入れ、理化学研究所の助手にまでしてやったが、「財産は一文もやらぬ。それが好意だ」と繰り返し、喜助もその言葉に涙を流して感謝していた。ところが老人が病に倒れ、あっけなく息を引き取ると、状況は一変する。