耳で聴く本屋さん

あの顔

内容紹介

法廷から戻り晩酌を楽しんでいた博士のもとに、ミシェル神父からの紹介状を携えた川島浪子という婦人が現れる。痩せた青い顔に憂慮を漂わせた彼女は、かつて博士が若い頃に交際していた秋田浪子であった。貧乏書生との結婚を断って金持ちの後妻となった彼女は、夫と死別したのち川島家に再婚していたのである。彼女の訪問の目的は、その日の朝刊に載った事件──青年が赤ん坊を過って殺したという記事に関わるものだった。