耳で聴く本屋さん

落日の光景

内容紹介

妻の乳癌の闘病の様子を綴った私小説。「私」の妻は乳癌に罹り、築地の癌研附属病院で左胸部の切除手術を受けた。更にコバルトを照射するため、大塚の病院の放射線科に移ることになった。隣のベッドの花井夫人は十二年前に乳癌を患い、今度は肋膜に水が溜っていると語る。妻もその後再手術を受けたが、切り取られた筋肉を見せながら「まだ、こんなに残っていました」と語るような強さがあった。