耳で聴く本屋さん

出世

内容紹介

譲吉は、久しぶりに上野図書館を訪れ、自分の苦しかった学生時代を振り返る。大学卒業後、翻訳で生活費を稼ごうとするが、重要な原稿を電車に置き忘れ、回収できず、図書館で原本を使って仕事を続ける日々を思い出す。翻訳が完成する前に出版社が倒産し、その努力が報われなかった経験を振り返りながら、過去の自分と現在の生活を比較し、今の安定した生活を幸運に感じていた。