女の膝
内容紹介
麹町三番町に住んでいた当時、私は枕許に五、六冊の本を置いて寝るのが習慣だった。その晩もランプを点けたまま、読みさしの本を脇に置いてうとうとしていた。ジュウジュウ音を立てて暗くなるランプの音に眼が覚めると、痩せぎすな膝を出し、鼠地の縞物でお召縮緬の着物を着た女が、黙ったまま枕許に座っている。不思議に思ってよく見ようとするが、紫色の帯から上は見えないし、どうしても声も出ないのだ。
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麹町三番町に住んでいた当時、私は枕許に五、六冊の本を置いて寝るのが習慣だった。その晩もランプを点けたまま、読みさしの本を脇に置いてうとうとしていた。ジュウジュウ音を立てて暗くなるランプの音に眼が覚めると、痩せぎすな膝を出し、鼠地の縞物でお召縮緬の着物を着た女が、黙ったまま枕許に座っている。不思議に思ってよく見ようとするが、紫色の帯から上は見えないし、どうしても声も出ないのだ。
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