耳で聴く本屋さん

苦しく美しき夏

内容紹介

夏の盛りのある日、ふらりと路地に踏み出した男。ここに引っ越す前、彼は特高警察に検挙されていた。その後遺症は深刻で、今もたびたび神経衰弱に陥り、黄色いワンピースを着た妻の幻を目撃する。夜、妻の誘いに応じて散歩にでた彼は、目に映るもの全てに新鮮な喜びを感じ、新しい小説の構想を語って聞かせる。妻は夫を鼓舞するものの、戦争の足音が大きくなり始め……究極の夫婦愛を描いた短編。