耳で聴く本屋さん

可哀相な姉

内容紹介

「私」には上手く話せない姉がいる。血が繋がっていないにも関わらず、家族を失った「私」を姉は必死で育ててくれた。姉は夕方の街に出かけ身体を売っていたため、病気に罹ってしまう。否定の表現を姉は間違えて覚えており、首を横に振る代わりに縦に振るのである。姉のいびつな愛情によって「私」の心は少しずつ姉から離れていった。やがて「私」は恋をした。そして、病気によってみすぼらしくなる姉を疎ましく思うようになる。