耳で聴く本屋さん

高瀬舟

内容紹介

江戸時代の京都では、罪人に対して遠島が言い渡されると、高瀬舟に乗せられ大阪へ送られた。罪人を護送する京都奉行所の同心は、ある日、高瀬舟に乗る男と話をした。男は兄弟殺しの罪を犯したが、少しも悲しい様子が見えない。理由を聞くと、遠島が決まったとき、お金をもらったから嬉しいのだと男は答えた。また人殺しについては、生活が苦しく弟が自殺を図ったが、死ねなかった。弟が「もう殺してくれ」と頼むので殺してやった、と男は言うのだった。