耳で聴く本屋さん

石油の都バクーへ

内容紹介

『貧しき人々の群』『伸子』『道標』など、近代女流文学を代表する作家の随筆。ソヴィエト同盟に来て八か月経った頃、私は連れと一緒にアゼルバイジャン共和国の首府ベクーを訪れ、石油の都の油田を見学した。声が千切れて飛ぶ勢いで走る自動車で、帝政時代からの労働者住宅を抜けると、通称「黒い町」大油田に到着。私は別府温泉の坊主地獄を思い出した。泥が煮えるように沸き立っているのだ。