耳で聴く本屋さん

毛利先生

内容紹介

ある暮れの夕方、友人の批評家が中学時代に英語を教えてくれた毛利先生の思い出を話し始める。毛利先生は背が低く禿げ頭で、奇妙な服装をしていた。金切り声で訳読を始める度に、訳語を思い出せずに狼狽するので、教室には失笑が沸き起こり、生徒達からは侮蔑されていた。七、八年後、神田の「カッフェ」で毛利先生を見かけた。先生は毎晩やって来ては給仕達に英語を教えているらしい。その健気な姿に、かつての自分を恥じ入るのだった。