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島崎藤村の生活上の好みから、その文体と人への態度を読み解いた随筆文。酒粕に漬けた茄子が好きだからと冬のうちから酒粕を貯え、質素な借家には凝った道具を並べる。置き物を一つ二つに限った清楚な座敷を見ては、きれいに片づいていると寒々しいと口にする。著者はこの好みの底に、少年期を他人の庇護のもとで過ごし、他人の気を兼ねる習癖が沁みついた跡を見る。「……と言って見せた」という言い回しにも、物を言い切れない態度が表れていると語る。