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弟は何にもこわいと思ったことがなかった。兄や周囲が口にする「ぞっとする」という感覚が自分には一向にわからず、それを覚えてみたいと言い出す。役僧のもとでおばけ騒動を起こして家を追い出された彼は、五十ターレルを手に「ぞっとすることを覚えてくる」と旅へ出る。首つり台の死人も、男の不気味な脅しも、まるで動じない。やがて宿屋の主人から、三日三晩寝ずの番をすれば願いが叶い、王さまの姫まで娶れるという魔法の城の話を聞かされる──。