耳で聴く本屋さん

祖母のために

内容紹介

『貧しき人々の群』『伸子』『播州平野』『道標』などの代表作で知られ、昭和期に活動した作家の回想録。八十四歳の高齢で没した祖母は、一生を地味に小さく暮らし、幸福や悦びを味わうことのなかった人であった。私と祖母とは仲の良いような悪いような複雑な間だった。昔の女らしく一種の陰険さもあり、総てに朗々としないのが大嫌いであった。しかしある日、祖母が食べ残した乾からびたパンを見てから、私の祖母に対する感情は変わった。