耳で聴く本屋さん

S先生に

内容紹介

学校時代の恩師であるS先生に宛てて、敬愛と批判をぶつけた随筆文。伊藤は、先生のことを今も好きだと認めつつ、同時に軽蔑もしていると告白する。学校時代、先生は講義の中で社会の腐敗した風教や道徳を激しく罵倒し、それが野枝の反抗心を目覚めさせた。ところがいざ野枝自身が実際の問題にぶつかったとき、先生は日頃の講義とはまるで違う態度をとり、世間体や周囲への配慮から妥協的に振る舞ったのである。