耳で聴く本屋さん

万年青

内容紹介

福子は睫毛の深い丸い眼がみるみる三日月になって笑い、周囲の者までつい釣り込んでしまう質であった。良人は「福子が笑うのは一種の運動なんだね」と興味深げに眺め、「お名前どおりの福の神といっしょにいると思えば、男冥利に尽きるよ」と冷やかす。友人の間でも親類の間でも、座がはずまぬ折には「福子さんがいらっしったらね」と話題になり、彼女がいるだけで気づまりな空気がほぐれるのであった。しかし福子の嫁いだ高木の本家はというと──。