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どちらから誘うともなく、二人は夕方の散歩に出かける。宿の婢が並べた草履を履きながら、民子は自分の世話を焼いてくれたおとなしい婢にすら嫉妬めいた思いを抱く自分に気づく。明日にはこの地を離れなければならないと思うと、一足二足遅れて歩く彼女の目の前には、連れの男の白縮緬の帯の先が揺れていた。午前中に届いた姉からの手紙が、民子にここを去る決心をさせたのである。