作品名、作者名、ナレーター名を検索する
朝の支度中、井口君はズボンが見当たらず文子を呼んだ。文子は「ポケットに穴が開いていたので繕っていた」とズボンを持って来るが、井口君の頭には「どうして穴に気づいた?」という疑問が浮かんだ。問い詰めると、文子は「小遣いの減り具合を見ている」と告白する。結婚後三ヶ月は嘘一つつかなかったのに、四ヶ月目から「友達の家へ寄った」などと言いながら、財布から5円、10円と減っている。そのたびポケットや財布を調べて夫の飲み代を測っていた──と語る。