耳で聴く本屋さん

溺れかけた兄妹

内容紹介

9月のある日、「私」と妹と友達のMは、お婆様が引き止めるのも聞かず、海水浴に出かける。海に入ると引きの波の強さに驚いたが、土用波の危なさも忘れて波越しの遊びに夢中になっていた。すると大きな波が来た直後、みるみる沖の方へと流されてしまう。溺れかけている妹を置き去りにして、私は無我夢中で泳いで岸に辿り着く。波打ち際からかなり遠いところに、妹の頭だけが見え隠れしている。