耳で聴く本屋さん

閣下

内容紹介

私が目黒の借地に住んでいたころ、両隣りには陸軍大佐が住んでいた。この界隈は退役軍人が多く、その中に「閣下」と呼ばれる少将がいた。閣下は碁が好きで、あるできごとをきっかけに、私と度々対局するようになる。閣下は「理性の人」を自称するが、酒が飲みたい時は私を「珍客」として引き止め、家内を騙して酒を出させるような人物だった。やがてチブスで入院した閣下は、おしるこを食べたいと駄々をこね、病室で一波瀾を起こすことになった。