耳で聴く本屋さん

出奔

内容紹介

登志子が友人の志保子の家に滞在しはじめて一週間が経った。いつまでもここにいる訳には行かないのにどうしたらいいのだろう。なぜあの時すぐに博多から上りに乗ってしまわなかったのだろう。途中の不自由とつまらない心配のために、こんな所に来てしまって進退はきわまってしまった。打ち明けねばならないことではあるが、やさしい気持ちをもった人だけに余計話しにくい。そうやってさしせまった自分の身のおき所について考えていた。